和束茶摘み&手揉み体験会 

2002年4月21日開催 グリンティ和束

京田辺の手揉み研修会で知りあった和束の茶農家の方の紹介で、ほっこりサークル主催の
「茶摘み&手揉み体験会」に参加してきました。
この催しは京田辺の時とは違って、一般の消費者が参加するものでした。
ほとんどの方が、和束の近くに住んでいる人でしたが、一部私のように大阪からやってきた人もいました。
お茶を摘むのは初めてなので、期待で胸一杯。風が強く、雨も少し降っていて天候はあまりよくないですが。



「お茶の手摘み」

和束は山の斜面に茶畑がたくさんあります。
 


適採面(摘み取る面)が高めなので
摘みやすかった。

鮮やかな黄緑色の新芽が、きらきらときれい。
 
グリンティ和束から車で移動。急な斜面がたくさんあり、スタッフに連れられて上っていったところが、今回手摘みをする茶畑。見晴らしよし。
強い風にあおられながら、茶摘み開始。新芽のところは柔らかくて、簡単に手で摘めます。親指と人差し指の間に三葉目(一芯三葉)の茶葉の少し下をはさみ、こきあげるようにして摘む「こき摘み」で摘みました。摘みだすと、つい黙々と続けてしまう。
  肩から提げていた籠を新芽でいっぱいにしたかったのですが、吹き飛ばされそうなぐらい風がかなり強く、雨も降りだしていたので、予定時間より早めに終了。
グリンティ和束に戻って、茶葉の加工作業に入ります。
蒸し
摘んだ生葉を蒸します。一つの焙炉で生葉、約3kg 。蒸している間は蓋をしていて、蒸し加減は蓋を少し開けてにおいをかいで判断します。青臭いうちは蒸しが足りません。途中蓋を開けて、写真のように葉をかき混ぜて、蒸しムラができないようにします。いい蒸し加減になると、甘いにおいがします。
蒸した葉は、平籠に移して冷まします。

 



みんなで平籠を囲んで、うちわで風を送る。
露切り
蒸した葉を、30cmほどの高さにかき上げ、一面に振り落として、水分を蒸発させます。見た目は簡単そうですが、葉の乾燥にムラが出ないように、まんべんなく広げていかなければなりません。

この作業は時間がかかって大変なので、みなさんはその間お昼休み。手作りおにぎりと、先ほど摘んだお茶の葉を揚げた天ぷらなどを頂きました。

 

横まくり(回転揉み)


横まくり作業前半。葉が大きめ。
すごい勢いと速度で葉を転がします。
  横まくりでは、焙炉の上で葉に力を加えつつ、回転させながら葉の中の水分を出していきます。うまく回転させずに引きずってしまうと、葉の乾き具合にムラができます。力も適度に加えていかないと、葉の表面だけが乾いて、中の水分が抜けきらず、蒸れて味が悪くなります。

横まくり作業後半。葉がだいぶ乾燥して
小さくなっています。
  この作業は2時間ぐらいかかるので、その間、近所の安積親王陵墓にお散歩に行ったり、手摘みをさせてもらった茶畑のオーナーが作ったお茶を試飲しながら、おいしいお茶の入れ方教室をしたり。入れ方教室では、オーナー=インストラクター先輩の指示に従って、アシスタントをしていました。今日は一般客のつもりだったのになあ。(しかしこの経験が、数日後のインストラクター公式デビューの予習にもなりました)
仕上げ揉み


 

入れ方教室をしているうちに、手揉みの作業はもうだいぶすすんで、仕上げ加工にいっていました。あんなに大きかった茶葉がもう針のようにとがった形になっています。



乾燥後
  揉み作業が終わったら、焙炉の上に広げて、茶葉を乾燥させます。時間の都合上、少し乾きが足りない状態ではありますが、一人30gずつ分けて、持ち帰りました。横まくりの段階で、助炭(揉んでいる台の上面)があまり緑色に染まっていないから、アクが強いんじゃないかな?と思いましたが、家で飲んでみると、やはりアクが強かったです。普通の人は、なかなか強く揉めないですしね。

お昼に頂いたお茶の葉の天ぷら、柔らかい食感で、塩をつけて食べるとお茶の甘みが更に引き立っておいしいです。しかし、いくつも食べると、渋みが口に残ってきますね。摘んですぐに加工しないと、しおれておいしくないでしょうから、産地ならではの料理ですね。ごちそうさま。  
お茶の葉の天ぷら




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